【IIDX難易度推定サイト】CPI活用のススメ

こんにちは、りせ(@rice_Place)と申します。

 

IIDX SP☆12の難易度推定サイト、CPIの運営を行っています。

cpi.makecir.com

2020年8月の正式サービス開始以降、記事投稿時点で1500人以上の方がユーザー登録されています。

 これまで10名以上の方から開発者支援を頂いていることはもちろん、SNSや動画投稿サイトなどを通じてCPIが広められていることも、大変ありがたく感じています。

 対象プレイヤーの5%以上が利用しているというのは、当初の想定に対して遥かに多く、制作者一同は驚くばかりです。ですが、より多くの方に知ってもらうこと、そして使ってもらうことによって、このようなサービスは継続的な改善が可能になるとも思っています。引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

今回は、CPIの知られていない(あるいは誤解されている)仕様について改めて解説するとともに、CPIを活用して☆12クリア力を向上させるためにオススメな方法・考え方についてもその例を挙げていきたいと思います。

 

 後半のCPI活用法に関しては上達論的な内容が含まれます。対象となるのは達成可能なクリアランプを全て点けた場合に総合CPIが2000以下であるようなプレイヤーです。言い換えると、後半は八段~皆伝平均レベルの方に向けた文章ということになります*1

 CPIによらない一般的な内容も含まれますが、CPIの高すぎる、あるいは低すぎる方*2は全く参考にならない可能性がありますのでご了承ください。

 

 また、以下の内容は断りのない限り執筆時点のものです。CPIは鋭意改善中のサービスなので、仕様の大幅な変更が今後起こる可能性があります。

 

 CPIの仕様解説

①”難しい”ランプを点けてもCPIはそれほど上がらない

CPIに関する誤解のなかで、最も広く言われているのが、「難しい(適正CPIの高い)ランプを点けたほうがCPIが上がる」というものです。確かに直感的にはそう感じられると思いますので、少し長めに説明していこうと思います。

 

あるプレイヤーの総合CPIが1500(十段平均レベル)だったとします。このプレイヤーがMare Nectarisをハード(適正CPI 2019.13)した場合と、エクハ(同 2603.95)した場合で、総合CPIの変化量はどれくらい違うでしょうか?

 

……そうです、ほとんど変わりません。

 十段平均のプレイヤーのほとんどはMare Nectarisを未ハードであるため*3、同じくらいのCPIのプレイヤーに対して、ハードでもエクハでもクリアランプの勝敗状況に違いはありません。

 CPIはクリアランプの勝敗によってのみ計算されるので、総合CPIの変化量にはほとんど差が無いと考えられるのです。

 

実際にCPIの変化量を決めている要素は、ひとことで言うと「(同CPI帯における)プレイ人数」になります。詳しくは以前の記事↓をご覧ください。

riceplace.hatenablog.jp

 

②適正CPIは「仮想的なクリア人数」と対応する

前項で述べたとおり、総合CPIはデータベース内のプレイヤーとの勝敗状況によって決まります。

 そして、各譜面各クリアランプの適正CPIは、達成者・未達成者の総合CPI分布をもとに予測されます。

 すなわち、適正CPIという言葉を言い換えると、「達成者の割合が50%となるような総合CPI」ということになります。

 このことはいわゆる地力譜面・個人差譜面であっても常に変わらないため、ある譜面の適正CPIが高いor低いということは、全プレイヤーがその譜面をプレイしたときのクリア人数が多いor少ないことだと言い換えられるのです。

 

③異なるクリアランプ間の適正CPIは比較しにくい

前項から、適正CPIが高いということは、クリア人数が少ないということだ、という結論が出てきました。

 これは異なる譜面の異なるクリアランプ間でも同様に当てはまります。例えば、Mare Nectarisイージー(1947.14)よりも、BLUE DRAGON(雷龍RemixIIDX)エクハ(1954.71)の方が、仮想的なクリア人数が少ないということになります。

 では、前者よりも後者のほうが”難しい”ランプであると言って良いのでしょうか?

 

結論から言うと、「わからない・何とも言えない」ということになります。

 エクハゲージを使用しないスタイルのプレイヤーが一定数いること、そのようなこだわりが無かったとしても完全には埋めていないプレイヤーも多いこと、イージー難易度1位であるMareは全イージー狙いのために積極的にプレイされること、などなどの理由によって、前者は過小評価、後者は過大評価されている可能性があります。

 

では具体的にどのくらい過小・過大評価されているのか、それを計算する術はいまのところ知られていません……。

 そもそも各クリアランプの求められる能力が異なることは言うまでもありませんが、楽曲の有名度・人気度や、新曲・解禁曲・レジェンダリアであること、超高難易度・超低難易度であることなどなど、”真の難易度”から推定難易度を乖離させる要因はたくさんあります。

 CPIではこれらのうち、新曲か否かという点については難易度推定における補正を行っています。

 

全体的な傾向について言えるのは、譜面のプレイ人数が少ないほど、クリアランプの達成人数が少ないほど、上記のような影響を強く受けるということです。

 

 

ここまでCPIの仕様についての解説を行ってきました。

 以下ではこれら仕様のメリットを最大限に、デメリットを最小限にすることを目指しつつ、実際のクリア力向上に繋がるような方法を提案していきます。

オススメCPI活用法

①できる限りクリアランプを点ける

これがとにかく大事です!

 仕様編①からわかるように、総合CPIには強すぎるランプ・弱すぎるランプの存在よりも、点きそうなランプが点いているかどうかが重要になってきます。

 逆リコメンドのトップに来るようなランプが1つ増えるよりも、適正ランプが2つ増えることの方が大事だということです。

 

CPIのリコメンド推定には地力・個人差度が反映されているため、総合CPIが真の実力から離れていると、正しい推定となりません

 そして、「やればできるけど埋めていない」ランプが多いことは、次項②にも関わってきます。

 

②苦手要素の解像度を上げる

いよいよ上達論的な内容になってしまいますが、IIDXの上達においては、自分の苦手要素を正しく把握することが極めて重要だと思っています。

 それを前提とした上で、☆12に挑戦していく過程では、苦手要素を細かく分解して、それぞれの小要素に合わせた練習譜面・方法を探していく必要があります。

 

筆者の個人的な経験は脚注に書いておくことにして*4、ひと口に連皿・皿複合・ソフラン・CN・軸・トリル・物量……といっても、求められる能力は譜面ごとに微妙に違っている、ということを認識することが重要です。

 そのためには苦手であることがわかり切っている譜面であっても、そのときの全力のクリアランプを点けて、例えば「同じ連皿でも16分メインはそんなに苦手じゃないな」とか、「物量の中でもBPMが遅くて横に広い譜面の方が押せてないな」といった事を見極めていく必要があります。

 

ちなみにそのようにして見付けた苦手要素を克服していくにあたっては、☆12に拘らずに低難易度譜面にも触れることが大事だと思っています。

 例えば中速連皿を練習しようと思ったときには、☆12の赤鮭やワッチ2を誤魔化してプレイするよりも、☆11でワンブルやデジタン辺りの出来を確かめて、もしミスがボロボロ出るようなら☆10のバスバスや灼熱灰で……と、「どれくらい簡単なら(ほぼ)フルコン可能なのか」というレベルまで見に行くのをオススメします。スタダの1~2曲目がちょうど良いですね。

 

③ユーザー検索を活用する

活用法①②を踏まえた上で、「リコメンド上位にいるこの譜面、一般的に見てそんなに簡単か……?」と感じることはあると思います。

 本当に自分がめちゃくちゃ苦手なのか、それとも難易度推定がおかしいのかを確かめる手軽な方法として、登録されている同じくらいの総合CPIのプレイヤーを参照するのがオススメです。

 CPIに登録しているプレイヤーは、データベース全体と比較するとアクティブである可能性が高く、①の条件も比較的満たされており、いわば”良質なサンプル”であると言えます。

 

他人のユーザーページから簡単にそのプレイヤーの傾向を把握するには、難易度表ページの詳細グラフを見るのがお手軽です。

f:id:rice_Place:20201123123852j:plain

筆者のエクハ難易度表グラフ

私はできるだけエクハランプを点けるようにしているので、このように2050~2100を境に分離したグラフになります。

 難易度表グラフの数値と分布が自分と似ているプレイヤーは、総合的なクリア傾向が近く、得意・苦手譜面の自分との違いがハッキリしやすいです。

 

めぼしいプレイヤーがいたら、メインページの[自分と比較]ボタンからクリアランプの比較をすることができます。

 絞り込みタブから勝ちランプあるいは負けランプだけを抽出して表示することが可能です。

f:id:rice_Place:20201123124900j:plain

CPIが近いプレイヤーとの比較。勝ちor負けランプ、エクハ・ハードのみ抽出。

自分は連皿やCNが、相手は高速トリルや皿複合が比較的得意だと分析できる。

ぴったりのライバルプレイヤーが見付かったら、CPI上でフォローすればイチイチ検索する必要がなくなります。

 もしプレイヤーIDやTwitterを公開していれば、そちらもフォローできるかもしれませんね。

 

最後に

難易度表は主観的・客観的を問わず、適度な距離感を保って利用することが、上達とおよびモチベーションの維持には大事だと思っています。

 実力の把握・目標の設定・ライバル探しのツールとして、これからもCPIをご活用頂ければ幸いです。

 この記事についてのご意見・ご感想は、記事へのコメントあるいは冒頭のTwitterまでお願いします。

 

それでは、良き音ゲーライフを。

*1:筆者のCPIは執筆時点で2120程度です。

*2:例えば☆12への挑戦を始めたばかりのプレイヤーなど

*3:https://cpi.makecir.com/scores/view/96

*4:灼熱・灼熱2のハードに苦戦していた頃のこと、昔から連皿が苦手だった自分は、連皿譜面をひたすら選曲するだけでは思うように上達しないことを感じていました。

 そんなある日、某プロが配信で「遅い皿は速い皿と違う難しさがある」という旨の発言をしていたのを聞いて、☆10や☆11の中速連皿をしっかり光らせる練習をしたところ、それまで何となく塊でとらえて回していた不規則連皿がきちんと認識できるようになりました。

 今では灼熱・灼熱2のハードに加えて、他の連皿曲も適正超えのランプやスコアが出るようになり、苦手意識が払拭されつつあります。